子供への体罰が無くならないのは親の責任!

子育て

最近、体罰問題がマスコミで大きく取り上げられ、議論されていますが、子供への体罰が無くならないのは何故なのでしょうか?

私は体罰が無くならないのは親の責任と考えます。

最近の社会風潮では、子育てにおいて、体罰は絶対にしてはいけないこと、だと言われています。しかし、現実には問題にならない程度の体罰は、少なからず行われています。

なぜ、子供に手を上げてしまうのか?

気が短く、すぐに頭に血が上って殴るような人は論外ですが、子供の事を真剣に思い、熱心に指導するが故に、体罰に繋がるケースが多々あります。

誰も始めから力で押さえつけようと思っている訳では無いはずです。再三の注意にも関わらず、問題言動が改善されない為に、『力』を行使するに至るのです。

子供は理性で言動をコントロールできない

小さい子供は、善悪の区別が付かなかったり、思春期になると、悪いことと分かっていながら、自分自身の言動を抑えることができなかったりします。故に子供なのであり、教育とは、この様な未完成な人間を導くことでもあります。

子供に注意して、「はいわかりました」と言動が改善されるのであれば、体罰は必要ないでしょう。何度注意しても改善されないから、どうしよう・・・と言うことになるのです。

体罰は有効 or 無効?

体罰は子供を育てていく上で、効果のあることなのでしょうか?

長所と短所について、よく言われている事を簡単に列挙してみます。

向上心を引き出す(スポーツでのしごき等)
子供が自分のためと感じ、信頼関係が得られる
しつけになる(愛の鞭)
体罰自殺のような過剰指導に繋がる
暴力を肯定する人格が形成され、暴力の連鎖が起きる
体罰に対する不審の念から信頼関係を損失する

体罰は効果を上げる場合もありますが、悪影響もあり、深刻な状況が発生する場合もあります。

体罰に関する大人の意識

セーブ・ザ・チルドレン・ジャパンが、2017年7月に、全国2万人の大人を対象に、子どもに対するしつけのための体罰等に関する意識と、1,030人の子育て中の親や養育者を対象にその実態を把握するために、体罰等に関する意識・実態調査を実施しました。

体罰等に関する意識・実態調査結果

大人の約6割が体罰容認
調査の結果から、子どもに対するしつけのための体罰を容認する人が56.8%にのぼる一方で、子どもに対して体罰を決してすべきではないと考える人は43.3%でした。さらに、しつけのために子どもをたたくことに対する考えを問う質問に対しても、何らかの場面で子どもに対し「たたくこと」をすべきであると回答した割合は60.0%、「決してすべきでない」と回答した割合は40.0%となり、子どもにしつけのための体罰をすることについての回答結果と大きく変わりませんでした。

学校教員が思う「体罰が無くならない理由」

東京大学大学院教育学研究科が実施した、「生徒指導主事の体罰意識に関する調査研究」において、「体罰は法律で禁止されているにもかかわらず、なぜ体罰がなくならないと思いますか」という質問に、下記のような意見が寄せられました。

子供や家庭があまりにも自由になり過ぎ、自分だけよければよいという自己中心的になってきている。そこには集団生活での連帯意識,協力性,他人へのいたわり等薄らいできている。
家庭でのしつけができていない。また少子化等の影響か,厳しく指導されずに成長してきた。その結果、自己中心的で規範意識に乏しく、反抗的で素直でない子供が増え、限度を知らず、凶悪犯罪も増加している。
指導の段階での生徒の対応の悪さ(ふてくされ、反抗、無視)が原因である。それらは皆、家庭教育の低下が重要な部分が多い。

つまり、家庭で十分にしつけられていなので、学校で躾なければならないために、「親代わりとしての体罰」を与えざるを得ない、と言うのです。

学校では多くの子供達が集団生活を送っており、一人一人の個性に合わせた躾を丁寧にする余裕がありません。従って、躾における、最も手っ取り早く効果的な方法をとらざるを得ず、体罰が実施されてしまうのです。

家庭で子供に十分なしつけができていない

余裕が無いのは学校の教師だけではありません。

核家族化が進み、両親は共働きで、子供の相手が十分にできないという家庭は多いのではないでしょうか。

また、子供に注意しても反発されるだけで、子供とはいろいろやらかすものなので、ある程度好きにさせておけば良いという考えから、積極的な躾は行わず、問題がありそうな時だけ躾るような、よく言えば自由放任主義、悪く言えば躾の放棄とも思える親も少なからずいるように見受けられます。

体罰禁止が叫ばれる昨今ではありますが、言葉だけで言って聞かせるのは根気のいる作業です。そんな時間も、心の余裕も無いという親は多く、手っ取り早く体罰で躾ることになってしまいます。

社会全体で子育てを!

つまり、時間をかけて一人一人の個性に合わせた、体罰を用いない躾を行える人がいないのです。家庭でもできない、学校でもできない、という状況なのです。

体罰はダメだと心では思っていても、指導する側に余裕が無いとその様な指導は出来ないのです。

ヨーロッパでは体罰の無い子育てが浸透していますが、日本と違い、社会全体で子供を育てていくという気質があります。

日本では、悪いことをしている子供を見かけても、注意することは希です。下手に注意しようものなら、親が怒ってくるので、そんなリスキーなことはしようと思わないのです。また、周りが注意しないので、親も躾が不十分だと気付き難くなってしまいます。

人間関係が希薄になったこと、自分さえ良ければ他人のことには無関心という人が増えてきたことにより、社会全体での協力関係が築けなくなっているのです。

親が、子育ては親だけでは出来ないと認識し、社会に子供を預け、みんなで育てていくという考え方になることが大切です。

また、世の中の大人は、子育てしていない人も含め、子供を暖かく見守り、時には厳しく指導し、次世代を担う金の卵を、大切に育てていかなければなりません。

そうすれば、親にも余裕が生まれ、体罰を用いない子育てが出来るようになるのではないでしょうか。

体罰の無い社会にするために、親たちは声を上げ、行動しなければなりません。

子供への体罰が無くならないのは親の責任なのです。

 

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