イクメンは差別だ!

子育て

男性が育児をするとイクメンと呼ばれますが、女性はイクウーメンとは呼ばれません。なぜ男性が育児をすると、特別扱いされるのでしょうか?

イクメンはこうして生まれた

男性は外で仕事をしてお金を稼ぎ、女性は家事・育児をして家を守る。こんな役割分担が古くから当然のごとく行われてきました。仕事が出来ない男性や、家事・育児の出来ない女性はダメ人間扱いされてしまいます。時は移り近年では男女平等の名の下、女性が社会に出て仕事をしてお金を稼ぐ事が珍しく無くなってきました。そうすると、女性は家事・育児と仕事の二足のわらじを履くことになります。パートタイムで子供が学校に行っている間だけ働くようなスタイルであればまだ良いのですが、フルタイムともなると、この兼務を一人でこなす事は困難になります。そこで、男性も育児を手伝いましょうという発想が生まれ、育児をする男性を特別にイクメンと呼ぶようになるのです。

男女の合理的な役割分担とは?

しかしここで、その前提条件である役割分担そのものが時代錯誤なのではないか?という疑問が湧きます。この役割分担は、女性が外で働かなかった時代では合理的であったかも知れませんが、女性が男性と同じように外で働くようになった現代では合理性が失われているのではないか、と。

そこで、男性は仕事、女性は家事・育児をするという固定概念を捨てて、誰が何をするのが最も合理的か?を考えてみると、「出来る人がやる」という概念が生まれます。

では、誰が出来るのか?それは家庭によって、またその時々によって様々な形があります。一般的には、時間に余裕がある人、それが得意な人、その人にしか出来ない事、等が誰がするのかを合理的に決める際の指標になります。女性の方が時間的余裕が少ない場合は、男性の方が担う役割は多くなるでしょう。また、女性より男性の方が家事・育児が得意といった家庭もあるでしょう。

このように、役割分担の固定概念を取り払うと、家事・育児の分担方法は十人十色であり、仕事・家事・育児をトータルで見たときに最も合理的で平等に割り振られた状態が理想の形と言えるのではないでしょうか。

「イクメン」・・言葉は浸透したが。。

仕事・家事・育児をどの様な割合で担当するかは人それぞれで、育児を担当する男性だけを特別扱いし、「イクメン」と呼んでもてはやす事は、「男性はそもそも育児をしない」と思っていることに他ならず、あまり褒められた言動ではないと言わざるを得ません。

「イクメン」という言葉が普及した背景には、育児を手伝ってくれる男性を持ち上げる事でその行動の継続や、更なる行動に繋げることを狙った女性のしたたかさがあったと思われます。一方、「イクメン」という言葉が浸透するに伴い、男性が育児に参加する事に対する社会的認知度が上がり、男性が育児に参加する際の社会的支援を受けやすくしたとも言えます。

根強い固定概念!

男女の合理的な役割分担について述べましたが、この考え方に沿って実践してみると、様々な障壁にぶつかります。最大の原因は、そういった自由な役割分担を社会が認知していない事にあります。

まだ小さい子供がインフルエンザを患って1週間寝込んだとします。家庭は核家族で子供の面倒を見てくれる人は両親以外誰もいません。父母は共にフルタイムで働いており、重要な仕事を任されています。この状態で、1週間誰かが仕事を休んで子供に付き添わないといけません。この時、子供に付き添うのは、父・母どちらでしょう?半分ずつ分担できるでしょうか?この様なケースの場合、その多くは母親が仕事を休んで付き添う事になります。それは、「女性は育児をするもの」という固定概念が社会的に認知されているからです。男性が1週間も仕事を休むなんて事が頻発すると、間違いなく男性は周りから阻害されるでしょう。

この様に、「男は仕事、女は家事・育児」という固定概念が現代社会には根強く残っています。これが「イクメン」という言葉を生み、育児をする男性を差別化しています。

しかし、現代の若い人達の中では、この様な固定概念が消えつつあるのも事実です。将来、男性が育児をすることが普通になり、「イクメン」という言葉はその役目を終え、死語となる日が来るかも知れません。

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