【後悔しないための】歯科医選びの3箇条!

医療

虫歯になった方は勿論、外傷や定期検診などで歯科医に掛かられている方は多くおられます。しかし、歯科医を口コミ等でなんとなく選んでいると、取り返しのつかない事になってしまう場合があります。

歯は再生しない

歯の治療と言えば、削って詰めるのが一般的です。現代の医療では、歯を削る以外に有効とされる治療法が無いからです。しかし、この歯を削るという行為は、やり直しが出来ません。削ったら最後、二度と元に戻ることは無いのです。他の病気の場合は、多少ミスがあったとしても、リカバリー出来ることが多く、やぶ医者に掛かったとしても、転院すればなんとかなるケースが殆どであることと対照的です。

故に、歯科医の選定は慎重にならなくてはいけません。

削らない・抜かない

虫歯などで歯科医に掛かると、あまり説明もせず、削って詰める先生がおられますが、この様な歯科医にご自分の大切な歯を預けてはいけません。

一番良いことは、削らない・抜かない事です。

例えば
知覚過敏の治療をお願いした場合、レジン(医療用のプラスチック)の定着が良くなるよう、歯を削った後、レジンで敏感になっている部分をコーティングする治療が行われる事があります。

確かに、レジンでコーティングすれば、知覚過敏の症状は治まります。一方、レジンコートは剥がれやすいので、剥がれないよう歯の表面に傷を付ける工夫をするのです。一見、患者の立場に立った親切な先生のような印象を受けますが、本当に患者のためになっているのでしょうか?レジンコートは遅かれ早かれ剥がれます。この時、歯を削っていたらどうなるでしょう。以前よりも酷い状況になることは目に見えています。

軽い虫歯は治療しない

虫歯の治療の場合、C1~2程度であれば、ブラッシング指導をして、様子を見ながら、治療するかどうかを判断しても遅くはありません。ちゃんと歯磨きが出来るようになり、虫歯が進行しないようになれば、経過観察で良いのです。

また、治療するにしても、削りすぎは良くありません。削り足りないと、そこから虫歯が進行するので、歯科医は虫歯を安全と思えるまで削ります。この時、虫歯部分を染色する検知液を使用すると、削らなければならない部分が目視できるようになり、削り過ぎないように治療することが出来ます。齲蝕検知液うしょくけんちえきと言い、最小限の除去で虫歯を治療するためには不可欠なものですが、保険点数が無くなった事もあり、使用しない歯科医が多くいます。使用しなくても、多めに削れば完治させることができるので、手間と費用をかけてまで患者のためにベストを尽くそうとは、考えないのでしょう。

歯を削る量を極限まで少なくする方法として、マイクロスコープ(顕微鏡)を使った治療法があります。この方法ですと、肉眼の数倍の精度で歯を削る事が可能となります。保険適用ではないので、金銭的に余裕が無いと受けられない治療ではありますが、希望するならば、施設の整った歯科医に掛かられるのも良い選択かと思います。

神経は抜くな

何らかの原因で歯が痛くなると、神経を抜くことになります。しかし、歯を診察しても、痛みの原因がはっきり分からない場合があります。この様な状況の時、痛いなら神経を抜くしか無いと言われる歯科医の先生が少なからずおられます。

私も昔、歯が痛くなり、「どこも悪くないのに、おかしいなぁ」と言われながら神経を抜かれた事があります。しかし、歯はちょっとした刺激で神経が敏感になって痛みが出る事があります。この様な場合は、鎮痛剤などを併用しながら、少し様子を見ていれば、そのうち治まります。

また、痛みの原因である歯と違う歯が痛むこともあります。歯痛錯誤しつうさくごと言うらしいですが、私はこれで、全然関係ない歯の神経を抜かれた事もあります。

抜髄は専門医で

神経を抜く事を抜髄ばつずいと言います。歯が痛くなると良く行われる治療ですが、その成功率は30~50%という驚きの統計結果が発表されています。いかに難易度の高い治療であるかがおわかり頂けるかと思います。

私も専門医に診て頂くまでは、失敗していると思っていませんでしたが、実際には問題のある歯が何本も見つかります。また、そういう歯が現実に問題を起こしてきました。

しかし、専門医で治療した場合の成功率を見てみると、90%と高い値が報告されており、何処の歯科医で抜髄するかが、その歯の予後を大きく左右することが分かります。

ただし、抜髄を始めとする根管治療を正確に行うことは、今の保険診療では不可能です。それは、ラバーダムの装着とマイクロスコープの使用が必須となるからです。どちらも保険適用がないので自由診療となり、高額な治療費が発生します。しかし、この費用は必要経費と割り切りましょう。なぜなら、保険診療で治療した場合、50%の確率で後々問題が起こります。抜髄処置の失敗が原因で再治療になった場合、難易度がさらに上がり、良い結果が期待できず、抜歯へのカウントダウンに繋がるからです。

抜髄の処置に失敗すると、その歯の寿命に大きく影響し、後々、抜歯となる確率が高まります。

抜髄する場合は、根管治療・歯内療法の専門医にお願いしましょう。

ごく希に、ラバーダムやマイクロスコープを用いた治療を保険診療で行ってくれる歯科医がありますが、これは先生の善意で、この治療に掛かる費用を先生が負担することで実現されています。その様な歯科医が近くにあれば幸せですが、なかなか無いと思います。保険診療でマイクロスコープの使用を希望するような行為は、先生に失礼なので止めましょう。

専門医の探し方

私は歯科治療に関連する学会の登録医を、歯科医を選定する際の指針にしています。様々な学会がありますが、私が特に重視する学会を列挙してみます。

この3つの学会全てに登録されている先生なら、安心して任せることが出来ると思います。

各学会のホームページに、認定医・専門医の一覧が公開されていますので、近くの専門歯科医を探すことが出来ます。

後悔しない歯科医選び

口コミで評価が高いのは、単に患者受けの良い歯科医だというだけで、良い治療を実施しているとは限りません。

実際、私も口コミで評価の高い歯科医ばかりを受診してきました。15万円かけてセラミッククラウンを入れた翌月に、別件で大学病院の歯学科を受診した際に、それよりこっちの歯の方が気になると言って、先月治療したばかりの歯の不適切な根管治療の問題を指摘され、愕然としました。また、今でも専門医ですら完治が難しいと言われながら治療している歯があります。元を正せば口コミNo1の歯科医に治療してもらった歯なのですが、必要ない抜髄と根管治療の失敗で、数十万円の治療費を費やしても、今なお完治できない状態にあるのです。

私のような思いをしないよう、歯科医の選定は慎重に行ってください。

近所の歯科医? 口コミNo1の歯科医? どちらもNO!です

歯科医を選ぶポイントは3つ。

1.歯を必要以上に削らない。
2.痛いからと言ってすぐに神経を抜かない。
3.抜歯にならないよう最善を尽くす。

この3つに留意して歯科医を選べば、後々後悔しない良い治療が受けられます。

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